パウロの今後の計画①(ローマ15:22-24)





22-29節にはパウロの今後の計画が記されています。彼は22-24節でローマとスペインを訪問する計画を、25-29節でその訪問の前にエルサレムに行く計画があることを明らかにしています。




15:22 そのためにも,わたしはあなた方のもとに行くことを何度も妨げられてきました。

「そのため」は20-21節の事情を指します。良いたよりが伝わっていない地域がローマより近い地方にまだたくさんあったためローマへの訪問が遅れていたということです。




15:23-24 しかし今はもう,この地方に手のつけられていない区域はありませんし,スペインに赴く際にはあなた方のもとに行きたいと幾年も切望してきましたので,そこへの旅の途中でともかくあなた方に一目会い,共に過ごしてまず幾分かでも満足を得,その後,途中まであなた方に付き添ってもらってそこに行こうと希望しています。

スペイン(現在のスペインとポルトガル)は当時の世界において地の果てと考えられていました。スペインにまで良いたよりを宣べ伝えに行くことは諸国民への使徒であるパウロの強い望みでした。そしてその旅の途中に世界の都であるローマを訪れることもまた彼の年来の望みでした。




15:23-24 しかし今はもう,この地方に手のつけられていない区域はありませんし,スペインに赴く際にはあなた方のもとに行きたいと幾年も切望してきましたので,そこへの旅の途中でともかくあなた方に一目会い,共に過ごしてまず幾分かでも満足を得,その後,途中まであなた方に付き添ってもらってそこに行こうと希望しています。

これまではローマよりも手前の地域に良いたよりを伝えることで精一杯でしたが、それらの地方でもかなり伝道が進み、開拓すべき土地も次第に減ってきました。ここにきてようやく彼の宿望がかないそうになってきたわけです。




15:23-24 しかし今はもう,この地方に手のつけられていない区域はありませんし,スペインに赴く際にはあなた方のもとに行きたいと幾年も切望してきましたので,そこへの旅の途中でともかくあなた方に一目会い,共に過ごしてまず幾分かでも満足を得,その後,途中まであなた方に付き添ってもらってそこに行こうと希望しています。

パウロはいま自分の願いを実現に向けて具体化します。先にローマを訪問し、仮に長期間滞在できなくとも可能な限りともに過ごして交流を楽しみたいと述べています。

彼はローマを訪問して得られるであろう満足について「幾分かでも」という言い方をしています。この表現には「どれほど長くローマの兄弟たちと過ごしても、『もう十分満足した』という日は来ないだろう」という期待と親しみが込められています。




15:23-24 しかし今はもう,この地方に手のつけられていない区域はありませんし,スペインに赴く際にはあなた方のもとに行きたいと幾年も切望してきましたので,そこへの旅の途中でともかくあなた方に一目会い,共に過ごしてまず幾分かでも満足を得,その後,途中まであなた方に付き添ってもらってそこに行こうと希望しています。

それからパウロはローマの信者たちに送られてスペインに出発しようと計画しています。

「付き添ってもらう」ことには案内してもらうことだけでなく旅費や道中で必要となる物を提供してもらうことも含まれる可能性があります。パウロは日常の生活費を兄弟たちの寄付によってまかなうことを極力避けていましたが、伝道旅行中に必要となる物資を提供してもらうことは、使徒として正当なことと考えていました。